[己の変貌を疑うことなく、異界の仕組みすら自然に理解した少女が、その言葉に逆らうことはないだろう。
望む姿勢を取らせた後、氷華は右手に己の得物――氷の細剣を呼び出した]
――我が剣、
[す、と右手伸ばし、細剣の切っ先を鎖骨の下へ触れさせる。
鋭き先端は僅かに皮膚を破るが、血が溢れ出ることはない]
そなた本来の名と意志は捨てよ。
――これよりそなたは、『柊の護花』と名乗るがよい。
[下命と同時、切っ先を中心に少女の肌へ、四弁の小さな白い花の徴が現れる。
かつての少女>>213が暖かな思い出と共に知っていた、柊の花の形。
今、それは隷属の証として、少女の身に刻まれた**]