――視察後・城内尚書長官執務室――
[王子様との視察の報告を上げれば、
ドアの前の警備の男に声をかけられる]
参謀殿が私に用と……。
内容は聞いてはいないのですね。
[彼の雰囲気なんだろう。
キツイ物言いに見えてしまうのはもったいない。
男はただでさえ背筋の伸びているがさらに身長がのびそうなほど
背筋を伸ばしている。]
いいえ、大丈夫ですよ。
少し探してみます。
[ふらふらとやって来ては彼を困らせる訛のキツイ男を
探し、城内をふらふらとするのだろうか。
どんな相手であれ、軍の上層部の人間は
無視できないのかもしれない。
と思ったが――。
その場を離れ、足を向けた先は蔵書室だった。
彼は警備の男の手前探すと言いつつ、探す気はないようだ]