- 祝宴にて -
[それまで楽しそうにお酒を飲んでいたシロウは、いきなりお酒を咽てしまった。
護衛官なら1人1人の顔や背格好を覚えているが、まず遠目で見ても動き方がおかしい明らかな偽者がいる……と目を凝らしてしまったからである。]
……な、なん。
[その近くにいるクレメンス様を見て大体を察する。
ごふ、ごふ、と気管支に入ったフリをしつつ。
鼻からじわっと酒の味がする。酷い味わい方だった。
そして、シロウの姿もバレてしまったらしい。
物凄く良い笑顔を向けてどんどん王様は近づいてこられたので、シロウは背筋を伸ばして正座する。]