きっと、ほんとうは、 ……10年前に、受け止めなければ、いけなかったのに。 ずっとずっと本当のことを黙って、貴女をそこまで追い詰めてしまったことが。[ああ、また、罪が増えた。――いや、気づけていなかっただけか。][一番言わなければならない言葉は、まだ胸の奥にしまったまま。][少年は、彼女と三歩分くらいの距離まで歩み寄ったところで、足を止めた。そのまま、じっと動かずに。]