[が、不意に剣士の殺気は残心の呼吸へと流れ、風は凪いだ。まだ熱い気の揺らぐ中、だく足に緩められた栗毛は、両者の視線を切るようにその間へ入ってゆき、勝負の時間を終わらせる。] ──そこまでだ。 不肖、フェリクス・ヴェンダーヴァルト・フォン・フリーゲンベルクが見届け役となる。 双方、怪我の手当を。