― 箱舟 ―[既に人の子らは去り、その場で何があったのか知る術はない。 ただ、見知った姿がそこにはあった>>216] 告死殿。[僅かに退く姿に頷きとも一礼とも取れる動作を返し、舳先の、人一人分の大きさと見える繭>>192へ近付く] すまない。 私は、与えられた役目を、十分に果たせはしなかった。[独白めいた声でいい、繭へそっと手を振れる] しかし、マレンマはやり切ったのだな。[やがて大天使が近付く気配>>218あらば、その場を開ける*]