え……え? これ……『白露《しらつゆ》』?[父の太刀である、『霧雨《きりさめ》』と対になるそれ。いずれ引き継ぐべきと見なしていたものの一方] 「……オクタヴィアス様を、お守りしろ」[脇差と共に渡されたのは、短い言葉。事成就するまで他言無用、『白露』も人目に触れさせるな、との厳命に、少年は一つ、頷いた。友を護るに異を唱える理由はない。ただ、渡された鋼の重さは、これから起きる事の重さを示すかのように思えていた]