─ 回想・とある日の王宮 ─
え、女性だけの騎士団ですか?
すごく楽しそうじゃないですか。
[ そう呟いたら失笑された。
ほんのすこしだけ身分の高い上官は、
『お前はやめとけ』と一蹴する。
何故でしょうか、と問いかけても首を振る。
それでも食い下がれば、
ゾネス要塞の総督の話を聞くことが出来たかな
男子禁制の要塞、噂でしか聞かない内部。
それでも厳しさは並大抵のものではなく、
耐えきれない者もいるとかいないとか。
それは噂の範疇を出ないけれど、ほら。
火のないところになんとやら。
とりあえず脳内お花畑のお前には向かないと
上官たちは口を揃えて笑い飛ばす。
あたしが配属された部隊は比較的寛容なほうみたい
それに感謝しながら、そのときは。
白狼騎士団の指揮官、アイリ・フォールデン。
その名前を記憶するに留めて ── *]