[ 1人で戦う術なら、子供の頃から身につけてきた。小隊や、軍勢を指揮することも学んでは来た。
だが、まだ足りない。
時折、男の中に胸を灼くような焦燥が過る。
かつて、軍学校で、策はその時になったら考えると、嘯いた男の声と顔が、時折脳裏に浮かんだ ]
(ディーク...お前なら)
[ 浮かびかける思考を押し込める。
男は、ディーク・オラクルが姉姫を殺害したとは信じていなかった。
だから彼が捕らえられていると知った時には、自らその身柄を引き取りに行きたいと、父王に願い出もしたのだが......それが許される前に、魔王の侵攻によって、彼への手がかりは失われた ]