おいおい、撃ったのも斬ったのもあの小僧だろ?
[従華の少年の心境を慮る蓮魔>>214にくつくつと低い笑い声を聞かせ。記憶にある言い回しを適当に口にしたが、意味はあんまり分かっていない。
よこされる蓮の葉を象った盃を有難く頂戴し、瓶の栓を抜いた。
ぽん、と小気味の良い音。
漂う酒精の香に目を細め、相手の盃に中身を注ぐ。]
ン?
ああ、気にするなよ。
勝手にした約束を、勝手に果たしているだけさ。
乱世に身を置く
心残りは少ないほうがいい。
[己の盃を満たしながら、愉快気に語った。
鼻孔をくすぐる甘く爽やかな花の香は、確かに覚えがある。
千年前か二千年前か。あの長い冬に、彷徨っていた幽けき花精は、きっと生き抜いたのだろう。
目の前で不思議そうに首を傾げる花神を見遣り、ガートルートはまたにんまりと笑うのだった。*]