[祝宴会場にて。
クレメンスは王の姿が常に見えるような位置で、振る舞われた酒を手にこの宴を楽しんでいた。
王はというと、護衛官の服装のお陰で素性に気付く者が居ないのをいいことに、普段口を聞けないような者達と共に自由に振る舞っていた。
シロウの姿を見つけると、新しい酒の入ったグラスを二つ手に取って、笑顔で近づいていく]
『君がこれを手配したんだって?
いやぁ、とてもいいパーティーだね。
友のために、思い切った事が出来る君が、少しだけ羨ましいよ』
[持ってきたカクテルグラスの1つを渡しながら、気安く話しかける。
シロウが畏まった言葉で話そうものなら…
『あぁー、だめだよだめ。今日、私は君よりも立場が下なんだから、敬語なんてやめてくれ』
…と、自身はフランクな話し言葉のまま、シロウを困らせた…かもしれない**]