[ 飛空艦の上に十分な長さの滑走路はない。だから離陸は半ば落下しながらになる。魔法強化が施されていても、操縦者の腕を要求されるところだが、コンラートにとっては、慣れた過程だ ]
Take off!
[ 蒸気の熱が醸す白い気流の雲で空に軌跡を引きながら、一度飛空艦の下方に沈んだ複葉機は、艦の影に隠れる形で旋回し、丁度、金緑の天使とダーフィトの交差する空域の直下から、躍りあがるように、ぐんぐんと高度を上げた ]
相変わらず、無茶やってやがるなっ!
[ なんでまた一人で飛び出してるんだ?と、経過を知らないコンラートは呆れた声を上げ、同時に機銃を天使に向けて連射した ]