[ダーフィトの刃は寸分の狂いなく心臓を刺し貫く。 盾から剣へ、剣から肩への衝撃にも握り締めた剣だけは離さずに、 手負いの身体はその勢いと重力に任せ地に落ちてゆく。] ―――…、 [盾の割れる音も。 己の刃がダーフィトの肩に食い込む感覚も。 薄れ行く意識の中で知覚出来たかすら、最早定かではない。 何か言葉にしようとしてか、軽く開いた唇は音を紡がない。]