……とはいえ。
きみたちなら、流されたり呑まれたりする心配はないだろって。
俺たちは、信じてるけどね。
[笑顔と共にきっぱりと言い切り、白銀がきゅーい、と鳴く。
ティアナが呆れたように息を吐いたのは、とりあえず見ない事にした]
『……まったく、何年たってもお気楽なんだから』
[落ちた愚痴にもとりあえず知らぬ振りを決め込んでおく。
そんな様子にティアナは一瞬ジト目を向けるものの、紅い瞳はすぐに扉へと向いた]
『ま、いいわ。
それじゃ、開けるわよ』
[宣言の後、扉の中央にある窪みに薔薇色の宝珠がはめ込まれる。
扉は一度大きく震えた後、ばたん、っと音を立てて奥へと開いた]