[ 問いかけに言葉は返ったのか、
話の折り目にでもと焼き菓子を勧めれば
ありがとうと礼の言葉が返る。>>198
手渡すには少しだけ遠い位置。
ある時から隣に並ぶのを意図的に避けてきた。
近すぎる距離は迷いを生む気がして。
焼き菓子の行方を見届けることもせず、
話題を逸らすように昔の話を持ち出した。
想定外だったに違いない。>>199
嘗ての御転婆娘は悪戯めかしてふふりと笑む。 ]
とっくに気付かれているものだと思っていましたよ。
[ 微かに温かみを帯びる頬の赤みには
気付かれていなければいいと思いながら、
複雑な表情で紡がれる言葉>>200を
暫らく促すことはせずに待っていた。 ]