― 宿屋 ー
[宿には誰がいただろうか。とりあえず荷物を降ろした所で朝食を食べ損ねた事に気づき、女将に水とパンを頼んだ]
[誰かに人狼騒動について質問しようにも、誰が詳しいのかさっぱり分からない。モーリッツは…話が長くなりそうだから少し避けたい…なんて考えていると、中々自分から口を開くことができなかった。
けれど、羊が死んだことについて、人狼の存在を疑う者がいたなら]
いや、羊を殺したのは人狼だ。
[そこだけははっきりと言い切った。あの夢で見た“羊の前で爪を振り上げた人狼”は実在しているのだと、感覚で理解していたから]**