―宿の部屋―
[男は、薄く目を開ける。
一眠りしたせいか、頭痛は幾分収まっていた。
辺りを見れば、誰かが運んでくれたらしいハーブティがテーブルに乗り>>207、ドアの下には紙が挟まっている>>211。
ぼんやりとする頭を振り、お茶を啜った。
随分と冷めていたが、その香りが体中に染み入るようで、手紙を拾ってその文面を読めば、ありがとう、と小さく呟く]
……今日はもう寝よう。
[荷物から寝巻きを取り、身に着けた衣服を脱いでいく。
その白い肌は、薄明かりの中ぼんやりと浮かぶようで
――左肩に残る、爛れて引き攣った火傷跡だけが、異質なモノのように醜く浮いて見えた**]