…やれやれ、[とはいえこれでは、ディークに合わせる顔がないな、と。落とした感慨が傍らへ響くと知るに、時はさしてかからなかった。僅かに目を見開いて、再び傍らのクマを見遣る。似たように驚いた顔をそこに見出せば、自然頬が上がった。すぐに傷が引き攣れて、痛みに顔を顰めて変な笑い顔になる。] ──── 仕方ないな、[と、告げた声には嬉しげな笑みが滲む。言葉よりは響きが雄弁に、男の心情を語っていた。微かに顎を引いて、確かに頷く。]