おや、奇遇だね。私も冒険にばかりかまけてそう言う類にはなかなか。
そんな私からでは何とも有り難みが無いだろうがこれを差し上げよう。
[男はそう言って、懐からチャームを取り出しました。
人魚が桃色の石を抱いている形の銀色のチャームです。
鎖に繋がれたそれをチャリ、と小さな音を立てて差し出しては相手の手の上に乗せようとしました。
受け取ってくれたでしょうか]
それは愛と出会いの御守りらしいよ。
最近、海辺の洞窟で手に入れて鑑定してもらった所だ。
しかし、可愛らしい形と色味だから、私のような男が持ち歩くには少々気が引けてね。
まあ婚活は……いっそ、自分がそう言った"出会いの場"を作るのも良いのかもしれない。
"出会いを求める酒場"のような?
[最後の方は真面目に答えて見せました。
そう言えば、ここは出会いと"別れ"の酒場だった筈です。
案外………]