――――――ッ、そうでした。私、始まるまで此処から出れないのでしたわ。[ノブへと触れれば、じゅうと焦げる音と共に指先が黒ずむ。爪は瞬時に焼け、爪先は皮膚が溶け、赤々とした肉が見えた。顔には蔦のようにも似た紋様が浮かび上がり、左半分を染め上げる。ドアより離れればなりを潜め、肌に溶けるように消えていった]