[魔王を乗せたナールは、真っ直ぐにロー・シェンを目指した。四つの足で地面を蹴り、しなやかな体をくねらせて距離を詰める。口の端からは時折、黒い霧が漏れた。] 来い、ロー・シェン。 我の手で死ぬ栄誉を与えてやろう。[くああ、とナールが前脚を半ば浮かせて威嚇する。そして、猛然と突進した。愉しげな笑みを浮かべた魔王は、槍試合のように長槍を構えている。]*