― 深夜、宿の客室で ―
[少女をフードに入れてほしい>>217と訴えるラヴィを宥め、何とか宿の一室に移った…は、ベッドの上にラヴィのお気に入りのクッションを置いてそこにラヴィを寝かせた。]
大丈夫ですよ、あの子には「おししょーさま」とやらが着いているようでしたから。
[忌むべき黒魔術師に寄り添い、その陰に隠れるように周囲をおずおずと見ていたラヴィの友人であるドロシーの姿を思い、…は小さく首を横に振る。]
邪な術の使い手が、あのような幼い子やセーラーロースさん達にあれ程までに信頼されているのは、何故なのでしょうか…。
そしてカサンドラの遺言めいた発言>>200も気にはなりますね…。狼は狼を噛むことができない、それを踏まえて今日の段階で自分の身を案じるのは、ふむ、演出なのか、それとも…。
シメオン殿が狼の甘言に引き込まれていない場合は、灰同士の信用勝負にはならないかと思うのですが…。果たして…。
シメオン殿が「私が先に〜」>>212と応えている点からも、カサンドラとシメオン殿が裏で通じていることはなさそうですし…。
[…はスピスピと寝息を立て始めたラヴィを見つめた。]
全く、貴女ならともかく、ドロシーさんをフードに入れたら、狼に喰われるか縄がかけられるかする前に、私の首の骨が折れますよ…。
[…はそうつぶやいて備え付けの椅子に座り、深い闇に塗り潰された窓の外をじっと見つめた。ロウソクの光に照らされ揺らめく…の顔が、そこに映っている。]