[盟主の声に鼓舞され奮戦する重歩兵たちだったが、それでも突進する騎馬の勢いを完全に止めることはできなかった。
そもそも、重装備の正規兵に効果的な打撃を与えられる武器は揃っていない。
ただ馬の足を刈り、あるいは跨る兵を引っかけ引き落として仕留めることはできる。
横からの攻撃を躱した盟主と直衛の騎兵も、突撃する敵騎兵の後を追って歩兵たちの間を駆け抜けた。
馬の鞍より弓を取り、至近の射撃によって相手の鎧を射抜きながら、先頭の将に言葉を向ける。]
わかっている。
だがもう止められはしない。
[負の遺産。
その響きに顔をしかめながらも、言葉は認める。>>204]