[首下に手をかければ、ちゃり。と音が鳴った。常に身につけるロケットは首から外され、四つ指に下がる。] 貴方に憧れていた 水雷艇乗りの。[小さなピンを押せば、楕円のロケットの蓋が開いた。写真入りのそれを、ファミルは向かう相手へ見せる。] ───こんな顔をした男です。[真っ直ぐな目で人を見る、漁師出の男の写真を相手へ向けて、淡い紫の目は、休暇中の男を見た。]