― カレル保護暫くの後・大森林 ―[老婆は基本的には石の上から動かなかった。動くのが億劫というのもあるが、日に日に減りゆく体力を温存しなければならない状況でもあったからだ。ゆっくり眠り落ちるならば、あと数年数十年はもっただろう命は一挙一動する事に減りつつある。まったく無くなる前に、やらなければならない事を思い描きながら。また修行として結界の中を走り回るカレルの様子を、つぶさに見守りながら時を過ごした。]