[豪奢な白銀の門は破壊され、燦然と輝く剣や槍を持って応戦する
天使が押し寄せる夥しい魔族の群れを追い返そうと戦うが。
戦いの主力である天使たちが不在の今、それも幾ばくも持つまい。
無い魔族が逃げ惑う力なき天使を襲い、殺し、食らい、白亜の街が黒に穢されていくのも、時間の問題だろう。
人の皮を被り、魔の気配を消し、盲目的に神を崇拝する天使たちを
謀る事など実に容易い仕事だった。]
結局こんなものか、つまらぬな……。
[天界に通じる門は、何も1つではない。
特に人間界に通じる門は、己のような魔族と人の間に
生まれた魔の者には、結界をすり抜ける事が可能だ。
今頃は魔界にも、天使の手勢が攻め込んでいるだろうが、
既にそれらの情報はあちらにも流してある。
つまり魔界では既に迎え撃つ準備は出来ている、と言う事だ。]