[畏怖に戸惑わせた彼女を寧ろ抱き寄せた。>>167彼女の献身を知りながら、幾度も試してしまうは悪い癖。自ら敷いた道に、彼女を引き込み、とうとう辿り着かせた己の傍ら。] 我が眷属において隠匿は美徳ですが、向ける心に嘘偽りなく。 ―――それとも、貴女は高位に告げられるまま選んだのですか? [彼女の疑問に僅かな逡巡を置くが、結局は吐露に到る。>>207愛妻からの接吻を待ち侘びながら、無言実行とばかりに手を繋いだ。遥か昔に、彼女を世界から奪い去ってしまうと決めた時のように。]