どきどき、するんだ。
あなたがこうして、ぼくに……必死であるところに。
[ 片手を伸ばして掴もうとしたのは彼の片手。
触れられれば左胸に触れさせ、そのまま
手の甲に唇を寄せよう。 ]
…………だめ、なのに。
これ以上、幸せになってはいけないのに。
もっと、もっと、可愛らしいあなたを
見せて欲しくなる。
ぼくは、我慢しようとしたのに。
クレメンスが悪いんだからね。
[ ぐちりと結合部を締め付けながらも
これから吐き出そうとする言葉に
ぼっ、と炎に炙られたように頬が赤くなる。
酒にでも酔ったように熱の孕んだ声が囁いた。 ]