[狭まる距離。
銀色の光が己の方へと伸びる様がゆっくりと見えた。
――…それでも、男の目は"人間"の後ろの同胞へと向いて。
白刃の突き立つのは窓枠。
その隙は、反撃するにはともかく、離れるには十分なもの。
距離を取れば、仏頂面で侵入者>>217を迎えた。]
――……別に、どうだって。
[問いの、その意味は理解するものの、返すのは拗ねたように口を尖らせた声。]
汚すなよ。
[ぐるぐると胸の裡に渦巻くものが収まらず、ぶっきらぼうに言い捨てれば、刃の刺さる窓枠を超えて、月の照る外へと窓を開け放って飛び降りた。]