― そして少女は語る ― ……その日は嬉しいことがあったんです。 お父さんの仕事帰りを待ちながら、お母さんと一緒に、腕を振るって料理を作ってた。 私、この村に来る前は調理部に入ってて。 ほんとは、洋服作りとか編み物より、こっちの方が得意なんです。 将来は調理師の免許取りたいって思ってたくらいには。