トール先輩、ということは…公国陣地で逢ったのですね。
……予想はできていました。
彼女は私が卒業した年に、家の事情で中退して故郷に戻ったと聞いておりましたが、その後、全く彼女と思われる人物、貴族の家の情報が入ってこない事。
帝国貴族だとオーベルニュ前伯爵や、現役でもロスチャイルド伯爵のように、女性として爵位を継承する方々も普通に存在するのに、彼女の両親がかたくなに男性としての卒業に拘っていた事。
そのあたりから、恐らくは…と。
それでも、確定情報として聞いてしまうと……。
[顔を上げると、リエヴルの表情がどこか厳しかった。>>104
そのまま言葉を飲み込んで、改めて、主より遅く起きた*非礼をわびた。*]