― 回想/15年前の争乱前 ―
[心で繋がる少年を、オクティ、という愛称で呼ぶに至るまでにかかった時間は短かった。
これまではすぐに離れるから、という理由で他者と強い友諠を結ぶ機会はほとんどなかった。
更に傭兵稼業をしていた父の影響で、大人たちに交じって動く事の方が圧倒的に多かった。
だから、同世代の子供たちに馴染めるかどうか、は父の最大の懸念だった……というのはまあ、後から聞かされた話である]
[ともあれ、異国から来た少年は比較的すんなりと同世代の中に馴染んでいた。
剣の稽古自体は扱うものの違いから父につけてもらう事の方が多かったが、混ざれる時には確り混ざっていた。
その頃から変わらない、破天荒な動きはある意味では稽古をつける方の手を焼かせていたかも知れないが]