[――肩に押された烙印は、異端者の証。赤く焼けた鉄で捺されたその刻印は爛れ、化膿し、幼い『悪魔の子』は生死の境を彷徨い続けました。『魔女』には、雨の気配を知る他にもうひとつ、誰にも教えていない特別な力を持っていました。それは、悪しき者を見る『眼』でした。『魔女』は、異端審問官のひとりに黒い影を視ました。子供の命を救う為、隠し続けていた能力を明かして告発しますが、――逆に「魔女のまやかしである」と断じられ、裁判という名前の恐ろしい拷問にかけられることになったのです]