さて修行…といっていいかね。
それは明日からやるが、内容だけは教えておこう。
タムリン、おいで。
[老婆はピクシーの一匹を呼び出し、カレルの前に立たせた。
花冠を乗せた、手のひらほどの大きさのピクシーは、カレルの前に恥ずかしそうに立っていた。]
カレル、その子を捕まえな。手段は問わない。
タムリン、お前はカレルに捕まらないよう
昼夜と森を全力で逃げ回りな。
なお互いに仲間の手を借りるのは良しとする。
あたしは手を出さないがね。
さ、今のうちにしっかりと顔を覚えておくんだよ。
[ピクシーの顔の見分けなどつき難いだろうが、それでもあえてそうさせた。見分ける事も一つの修行。
それが済めば、今日はもう休むように告げて。
老婆は岩の上に腰かけ、その場でうたたねするように目を閉じた*]