― 回想/白翼と黄金と ―
(そんな風になれたらいいな。)
[───と。これは音に出されることはなかったけど、彼から雷帝の話を聞けば>>214、ウェルシュの胸にはまた一つ、憧れのような目標が刻まれた。
そんな風になれたらいい。そうして、この国を支えていけたならいい。]
? 何を……?
[語ったら、と。ぼそりと落ちた呟きに目を向けて、話の続きを促そうとしたのはウェルシュ自身、彼との会話が楽しかったからだ。王宮を離れ、王子としてではなくただ一人の市井の人間として会話してくれるひと。自分の知らない広い世界を知っているひと。彼との会話が、本当に楽しかったからなのだ。]