……ありがとう。
[それでも、礼を言うだけに留めたのは、その紙が"まだ"白く見えたから。
自分の過去を伝えたから、気にしてくれているんだろうと。
大丈夫だよと伝えてくれているのだろうと。
……でもどうして?
伝えた自分が信頼するのはいざしらず……どうしてそこまで……
自分を、ガルーがいると伝えた自分を、信用できる?
全てを飲み込んだ、にこりと笑って伝えたありがとうは、彼にはどう、響いたのだろう。
白い紙に残る一点の染み……、……広がらないことを祈りながら。
パァンと聞こえた音と、通話を切ったのが同じくらいだったか。
きっと彼には、聞こえていない。>>203 *]