― 翌日/葬儀のために ―
[オクタヴィアスは負傷兵が集まる部屋を訪れた。
いくつかある部屋の内の一つは、回収した敵負傷兵が収容されている]
君達にお願いがあるんだ。
[意識ある者に声をかけ、身を落として視線を合わせる]
君達の治療は已むを得ず
こちらの方法でさせてもらったのだけど……
君達の仲間の、葬儀を。
君達の風習に副ったもので行いたい。
一族として成り立つものの中には、
独自の文化や風習があると聞く。
恐らくは、君達もそうなんじゃないかい?
その場合、それ以外の方法で送り出すのは、
君達にとっては許せないことなんじゃないかと思って…。
………私の友にも、矜持を貫いた者が居るから、
その気持ちは分かるんだ。
[警戒されるのは仕方の無いことだろう。
話したくも無いと忌避されても、こちらの考えを真摯に伝えようとした。
話をしながら脳裏に浮かぶのは、幼い頃にしきたりを貫いた友のこと]