― 遥か上空 ― ────、追え。[静かなる奇跡を別として、 天軍指揮官たる大天使の口から次に紡がれた音は、 人の子の船>>211への追撃の命であった。 落ちず、些かふらつきながらも存外機敏に船首を巡らせる船へ、 命を受けた下級天使の一群が向かう。 とはいえ、今はそれ以上の追撃はなく。]