―とある魔女の話―[とある町の外れに、白い肌と白い髪の女の人が住んでいました。彼女が頭痛を訴えると決まって雨や雪が降ることから、農業を生業とする者たちからは、恵みの雨を呼ぶ聖女と呼ばれ、慕われていました。しかしある男の告発によって、聖女は悪魔と契約した魔女として幼い子供と共に異端審問官に捕らえられてしまったのです。異端審問官は、『魔女』と『悪魔の子』に異端者の烙印を押し、悪魔と契約したとされる刻印を探します。ですが、彼女らの白い肌には染みひとつ痣ひとつありませんでした]