[カタリナが案内してくれた宿は、
思わず懐の中身を確認しようと思ったほど立派で、
しっかりとした造りであった。
何やら思案にふけっていた女主人>>61と、
宿泊のための交渉を買って出てくれた>>150カタリナのそばで、
広々とした受付を見渡す。
非常時にも問題なく使えるような汎用性を兼ね備えていそうなのに、
人の気配を感じ取れないことが気になりはした。
食堂兼談話室の中をのぞいてみたが、客の面影は見つけられなかった。
この村に来たのが昼過ぎ。まだ夕方までにはたいそう時間がある。
受付に来るには少々早すぎたのかもしれない。
そこまで考えて、村外で伝え聞いた話を思い出した。]