― フリカデル島北側"水路" ―
[先行していた水雷艇部隊は、きっちり2日間で最低限の任務を終えて活動を打ち切った。
作業の途中に半数を触雷で失い、残り3隻となった掃海艇と巡洋艦1隻は、再び擬装を纏って北岸沿いに身を潜めた。
擬装は主に空からの偵察を惑わすもので、船で近づかれれば容易に見破られるだろう。
有力な敵艦隊と遭遇した場合、または作業終了後5日間しても本隊が来ない場合には投降が認められていたが、逆に本隊が戦闘状態で現れた場合にはこれに加わることとなっている。
本来、第二艦隊に所属している巡洋艦の艦長は、扶翼官が特に状況判断に優れていると認める男だった。]**