― 少し前:Nルーム付近 ―
[耳の通信機が、再びソマリからの通信を受信する。>>203
先程の今で、どうしたのかと思ったが、セルウィンと無事会えたという報告だったようだ。]
そうなの?
それならよかったわね。
いえいえ、どういたまして。
[と、礼を受け取ってみたものの、実際何かをしたかと言われると……何もしていないのだが。
無理をするなと再度念を押されれば、胸の奥がじんわりと温かくなって、目を細めた。
しかし続く言葉に、少し、ほんの少し……。
……爪先をひっかけたくらいの違和感を覚える。
それは名前を付けるとするならば、小さな疑心。
そんなものを覚えたことに、眉を寄せる。
信頼を白い紙で表すとするならば、ソマリは真っ白。
……ただ、あまりに白すぎる純白の紙は……汚れると目立ち……そして少しの恐怖心を煽る。]