――練武場にて―― いや――…、[“自分がもし――…” と。そんな言葉は、唇を噛みしめて飲み込んだ。全てを踏まえた上で受け入れてくれたトールであるからこそ、それは口にしないでおこうと思っていた。] ――――……勝ち逃げ、か。[続く言葉を聞けば、ふと表情が綻ぶ。] いいんです。 ずっと、目標にしますから。[その面は、むしろいつもより穏やかなもの。最も、これが他の相手ならば、とんでもない反応になったのだろうが。]