― 偵察から戻る時 ―
[昨日総督に直に命令を下し偵察に向かった翌日。
スラムに住む者達に話を聞いて回り自分の見聞きで情報を集める。
その者達が言うには。
“ギルドの不法な買占めに苦しんでた我々をウェルシュ様が、ギルドの独占をさせまいと法を見直してくれたから生活が楽になった”と。
“けれど、ここ最近商人達が急に値上げをして商品を買い占めていて生活出来ない”と。
“これから先我々は如何すれば良いのか分からない時、元々居る者だけでなく余所者も交じり扇動し不満をぶつけ始めた”と。
逃げ込む家がない者達は暴動に巻き込まれ命を落としている者も居る。
早く助けてくれと懇願する様子には、此方も表情が歪み早急に暴動の鎮圧をせねばならないという使命感が生まれた。
視察をしている最中でも、住人達の不安を耳にする。
王の急な死を始め様々な噂を聞けば、此処にまで噂が回っているのかと訝しげ視察を終え王宮へと戻って行く。]