―幼い頃からの記憶―[かつて、孤児院で“兄”と呼ばれ慕われていた少年は、やがてその微笑みを失っていった。養父の憎しみを注がれ、学友など作る価値も認められず。ただ、優秀なる軍事となり、養父の手足となることを求められた。愛情を求めるかのように、孤児院の老シスターへと何度も手紙を送った。少年にとって、それだけが唯一心を通わせられるやりとりだった。だが、それもシスターの死によって閉ざされる。]