― 出陣前/野営地 ―
[暫しの沈黙>>198
彼が再び口を開くのをじっと待っていた。
閉じられた瞳が再び開いた時、やはりリエヴルは笑っていた]
そうはいかない事情……?
そんなまるで……。
[真っ先に口にしたのは、彼の頼みが遺言めいていることに対してだった。
胸元に触れているのを見ると、何か病気でも患っているのだろうかと勝手に想像する。
リエヴル本人のことが心配になり、それを口にしようとしかけた。
だが彼が自身の死を見据えて、それ故に自分を尋ねてきたのならば、彼の聞きたいのはそんな言葉じゃない]