……怒りたい気持ちはわからないとは言わないけど、もうちょっと、さぁ……。
『うるさいわね。
心配かけるアンタが悪いんだから、黙って怒られなさい』
[一方的な物言いと共に、ティア、と呼ばれた女はつい、と手を振る。
その手に先に再生された薔薇色の宝珠がふわり、と納まった]
『癒しの力、命の波動。
我の望むまま願うまま、癒しの雨となりてここに。』
[次いで、紡がれるのは歌うような詠唱。
薔薇色の光がふわりと舞い上がって上空で弾け、場にいる者たちに向けて降り注ぐ。
それは、傷と疲労を癒す、命の雨]