[撃ちだされた銃弾は、違わず鈨の上の"目"へと届く。魔力帯びた一撃を受けた"目"は、大きく揺らめいた後、漆黒の瘴気を噴き上げた。それはしばしその場に揺蕩った後、風に流されるように散って行く。再度の憑依を試みなかったのは、それが通じぬと知れていたからか、他に理由があるからか。ともあれ、"目"はどろりと溶け落ちて。鈨の上に浮かぶのは、本来そこにあるもの──月と風の流れを表す紋の透かし彫り。*]