[それとだいたい同じ頃、その後方上空で引き絞られた矢にそれぞれ光が灯る――その光が、女王の指先、手、腕、身体の後光となってシルエットを形作る。
そしてその光を感じたのに合わせ、女王は右腕を強く振りかざした]
――撃てぃッ!!
[無数の光の矢が空から降り注ぐ……あたかも、女王が天使の群れを引き連れて、戦いを呼ぶ声に抗った陣営の本拠を潰しにきたかのように。
事実、他の人間と十数歩の差しか離れていないのに、光の矢は女王を射抜くことはなかった――というよりも、標的になっていなかった。
……もし女王の一連の行動を注意深く見ていれば、彼女の号令は矢が発せられた後であり、天使の攻撃は女王の命令によるものではないと分かるだろう。**]