[>>188少尉の纏う空気は男も感じていて。カシムが近くで死んだのだ。状況的に疑われても仕方がないが、彼を手に掛けたと思われるのは心外だった。――変われるものなら変わってやりたい。けれどそれは絶対に叶わないという事を、この数年で思い知らされていた。>>201曹長が少尉に詰め寄るのは静観していた。衝撃と混乱から落ち着いて来れば頭が冷えてくる。カシムを殺した密偵は誰だ。敵がすぐ傍にいる事を男は知らない。]